複数のツールを組み合わせて実現する、高効率なリモートワーク環境の構築メモ
タイトル
複数のツールを組み合わせて実現する、高効率なリモートワーク環境の構築メモ
概要
リモートワークをやってみて、一旦開発スタイルが落ち着いたのでメモ
4行でソリューションを要約
- コミュニケーションを取りやすくするため、カメラをつなげっぱなしにする(音声オフ)
- ずっと顔が映っていると恥ずかしいため、普段はカメラを半透明な何かで隠す
- 同時に何組も話せるように、Discordで音声ルームをいくつか作っておく
- チーム内限定のホワイトボードをOneNoteで作る
背景
新型コロナウイルスの影響でチーム全員がリモートワーク前提の職場に変わった。
全員リモートワークという状況に適応したチームを作るには?
というテーマに、
- メンバー同士がまるで近くの席にいて、話しかけやすい雰囲気を作る
チームで仕事をしている
という雰囲気を維持すること- リモートワークにより通勤負荷が無くなった。むしろ今までよりも効率よくアウトプットを出すことができるのでは?
上記の観点で向き合った。
試した結果をメモ
コミュニケーションを取りやすくするため、カメラをつなげっぱなしにする(音声オフ)
ソフトウェア開発のチームなので、以前からもSlackで全員オンラインになっていたが、
全員が自宅勤務だと他の人の雰囲気を知ることができなくなった。話しかけて良さそうな雰囲気だったりとか。(※1)
そこで、常にテレビ会議サービスを繋げっぱなしにしてみては?と思い、チームで試してみた。(※2)
- 顔が見えていると、話しかけていい雰囲気かどうかを感じることができる
- 職場で働いているかのような、
すぐ近くに同僚が働いている
という感覚になる - 雑談からの議論が活発になった というメリットがあった
ただし、テレビ会議サービスをそのまま使うだけでは別の問題が発生。
ずっと顔が映っていると恥ずかしいため、普段はカメラを半透明な何かで隠す(ビニール袋とテープ)
PC内蔵カメラでずっと自分の顔が映っていると、
常にドアップで恥ずかしい
😔
という声が上がってきた。
常に顔を見る必要はなく、みんなの雰囲気だけ知ることができればいいため、
カメラで映す映像が、すりガラス越し
のようになればいいのでは?と考えた。
リアルな会議室の目隠しや建物のエントランスにあるような、あれ。
であればソフトウェア的に処理するか、半透明の何か
を貼り付ければ済むのでは?という考えに至り、
ビニール袋をテープで貼り付ける
という方法で対応。
結果、ビニール袋をクシャクシャにしてから貼り付けたらちょうどよく半透明になり、
すりガラス越し見える人影
状態を作ることができた。
すりガラス状態にするにはビニール袋以外でもよく、
透明なクリアファイルを2枚ほど重ねて貼り付けてもいいですし、
凹凸のある半透明なプラスチック(コンビニ弁当の蓋)を貼り付けてもよかった。
ソフトウェア的に処理する方法、例えばSnapCameraのようなカメラ映像にリアルタイム加工を加えるようなソフトを使えば、
上記のように物理的に解決する必要はなくなるが、
ソフトウェア処理はパソコンに負荷がかかるので、開発に使うマシンで起動すると作業効率が悪くなる。
テレビ会議専用に使っていないパソコンを用意するのもありだけど、
パソコン好きでもなければ、複数台のPCが家にあるのは珍しく現実的ではない。
結局 ビニール袋をセロハンテープで貼り付ける
という方法で落ち着いた。
上記のような対策をすることで、全員が常にテレビ会議サービス上でオンラインになっても気にならなくなったが、 今度は音声の問題が発生。
同時に何組も話せるように、Discordで音声ルームをいくつか作っておく
常にテレビ会議システムでオンラインになっていると、
- 聞かなくてもいい話まで聞こえて集中を阻害する
- テレビ会議システム上で、複数の組み合わせで同時に話すことができない(2人で話している時、別の2人が更に会話するなど)
という問題が発生。
どうしようかと考えていたら
Discordだと複数の音声ルームを作れる
ことを教えてもらい、使ってみた。
どのように運用するかというと、
- 普段は上記画像のように
勤務中
音声ルームに入る - 雑談が始まったり声をかけたりしたら、別の音声ルームに移動
- 話が終わったら、また勤務中ルームに戻る
- 直接関係ない話であっても、他の人は出入り自由
テレビ会議サービスでも画面共有をすることができるが、
Discordでは何人でも同時に画面共有ができるので、
あれこれ話しながらやり取りするのはDiscordが便利だった。
音声と画面共有はDiscord。映像はその間もテレビ会議サービスで共有。 表情はテレビ会議サービスで見えるので雰囲気も伝わる。
ところが、使っていると仕事の効率を落としているものに気づいた。
現実世界では気軽にできていた、手書きで説明する
ができなくなっていた。
毎回手書きをするわけではないけど、地味に不便🤔
チーム内限定のホワイトボードをOneNoteで作る
たいていのテレビ会議システムは簡易的なホワイトボードが存在する。 ただ、 ペンの種類が少なかったり、 消しゴムの種類を選べなかったり、 拡大縮小、ホワイトボードのサイズを後から変更するなどができなかったり。
(自分の感覚では)クラウドホワイトボードサービスはどれも扱いづらいものが多く サクサク描けなかったのでどうしようか考えていた。
そこで、普段から自分用のメモに使っているOneNoteに チーム用のNotebookを作って共有
したところ、これが思いの外よかった。
- 描いた線が1秒以内に他の人の画面に表示される。
- iPadに適した書き心地
- ペンの種類がかなりある。消しゴムも複数のタイプがある
- 拡大縮小、描いた物を後から移動できる
- PCでもOneNoteを表示しておけば、大画面でメモを表示できる
- テキスト入力がiPadのキーボードでも、PCのキーボードでもどちらからでもできる
全員にMicrosoftのアカウントが必要(無料だけど)
Note単位ではなく、Noteの集合体のNotebookでしか共有することができない
若干使いにくいと感じるのは上記2点くらい。
Note単位でサクッと共有できたらかなり使い勝手がよくなるけど、改修予定はあるのだろうか?
気になって調べてみた(ネットワーク)
テレビ会議サービスとDiscordを常時使うと
実際のところネットワーク帯域はどれくらい使うことになるのか。
macOSのActivityMonitorで見てみた
下り
通常時 30KB〜300KB/s
テレビ会議サービスで画面共有時 50KB/s
上り
60KB〜100KB/s
前提条件
- 普段オンラインなのは8人
- テレビ会議サービスは音声オフ
- Discordは話すときだけ音声オン
活発に話している間は下り帯域を300KB/sほど使っていた。
画面共有をするとむしろ他の人のカメラを表示しなくなるせいか、
25〜30KB/sくらいまで帯域を使わなくなった。
まとめ
工夫して常時オンラインをすることで、職場と変わらない状況を実現することができた。
むしろ、職場では席が離れている人には話しかけづらかった
という問題があったが
全員が等距離で雰囲気を知ることができるようになったため、
その時々で適した人に話しかけやすくなった
という声も聞くようになった。
通勤時間やそれにかかる負担もなく 室内の環境は各自で調整できるリモートワーク。 トイレの個室に順番待ち・・・・といった無駄な時間も無くなった。
結果、私のチームはリモートで快適に仕事をすることができるようになった。 もうしばらく在宅勤務は続くと思われるので、しばらく経ったらまたメモしよう。
※1 雰囲気というか、適切なタイミングで議論ができるようにする工夫は、別のベクトルとして考える必要がある
※2 Discordは複数のルームでテレビ会議ができるようになったが、
まだパソコンへの負荷がかなりかかるので、別のテレビ会議サービスを使っている